TOPHOTASの目 分析・解説記事大学入試小論文
  大学入試小論文
2. 大学入試
1)大学入試 入学試験の性質

「不合格者をたくさん出す試験」という入学試験の性質
 有名大学.人気大学の入学試験となりますと,合格者は受験者の10%〜20%となっています.つまり80%〜90%は不合格なのです.こうなるとこの試験の性質は,「合格者を選別する試験」というよりも,「不合格者をたくさん出す試験」という性質を持ってきます.おのずと問題もそういった性質に沿った問題になります.これが,俗にいう「難問,奇問」が出題されやすい土壌を作っているといえるでしょう.

難問・奇問の割合は非常に少ない
 誤解のないように申し上げますが,私がこういうお話をするのは,大学の先生や大学入試制度を批判するためではありません.そういった意図はまったくないばかりか,実態はその逆です.私はかつて毎日教壇に立って,国語を教えていました.たくさんの様々な用途(中学入試,高校入試,担当学年の定期試験,国語教諭の採用試験等)の問題も作り,また,採点してきました.大学入試問題の分析もたくさんしました.その私の目から見た,多くの大学入試問題は,良問がたくさんあったのです.確かに難問(すぎる)ものや奇問の類もゼロとはいいません.ただ,その割合は非常に少ないものですし,ひるがえって中学や高校の教師が作った問題にそういった類の問題がゼロかというと,決してそんなことはありません.次項「2-2)大学入試 作問者側から見た入試問題」で詳しく述べますが,大学の先生は誰一人として大学で国語の授業をしていません.一度もされたことのない先生もいらっしゃるでしょう.その先生がこういったよい問題を作る……さすがに大学の先生だと,舌を巻いたものです.無論,例えば東大現代文のように,論理的読解力の王道をついてくるような問題ですと,後に,「3-2)小論文 入試科目としての特殊性」等で述べるように,学術論文に日常的に接している大学の先生にとっても得意分野だと認識できるのですが,例えば接続語の空欄補充やら,脱落文の挿入やら,どちらかというと,「問題のための問題」的な要素の強い設問でもそうそうはずしてきません.このあたりはやはり見事,というしかありませんね.
 このように大学の先生や大学入試制度を批判する気など毛頭なく,ただ,本質を知るためには事実を正確に把握する必要がある,そこでお話しています.

注)紛らわしいので,本稿では下記表記統一します.
 ※1. 高校の「地歴科」「公民科」→「社会」もしくは「社会科」
 ※2. 旧国公立大学,国公立大学法人→「国立大学」もしくは「国公立大学」


続く

 
大学入試小論文
1. 大学入学後に必要となる力
1) 大学では何を訓練するのか
2) 「科学」を研究するには何が必要か
3) なぜ大学入試で小論文が課されるのか

2. 大学入試
1) 大学入試 入学試験の性質
2) 大学入試 作問者側から見た入試問題

3. 大学入試 小論文
1) 小論文は他の教科・科目とは根本的に違う
2) 入試科目としての特殊性
3) 大学入試に小論文が導入された経緯1
4) 大学入試に小論文が導入された経緯2
5) 小論文の分類 課題文型と一行問題型


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